美人なのに売れ残り30代に・・その意外な落とし穴とは?

未分類

気付けば30代で売れ残っていた

私はずっと両親に大切に育てられてきました。
両親の口癖は「自尊心を大切にして欲しい」でした。

学生時代は周囲から、
「美人」「可愛い」と言われることが多々ありました。
周りから言われる褒め言葉は、容姿のことばかりでした。

しかし、そのことに対して何の不満も持ったことはありませんでした。
両親の思惑通り、「自尊心の塊」に育ったからです。

高校受験に大学受験。
そして就職。

中学の頃から定年退職後までの人生設計をしてきました。
その中には、もちろん「結婚」も入っていました。

28歳で付き合い始めて、31歳で結婚。

そんな私の計画は、危うい状況になっていました。
初めての挫折でした。

28歳で誰とも付き合えず、
気付けば30歳で売れ残っていました。
「結婚の計画」まであと1年しかないのに、
私はとても焦っていました。

普通に考えたら、1年で結婚なんて無理な話です。
初めての挫折を味わった気分でした。

私は、「完璧主義者」です。
何でも計画通りに進めないと気が済まないし、
それを周りにも求めてきました。

今まではこの性格のお陰で、学力が高い大学や有名なメーカーへの
就職を果たしてこれました。

しかし、恋愛においてはこの「完璧主義者」の性格が足を引っ張ることが
多々あったように思います。

自分にだけ厳しいならまだしも、周りにも同じレベルを求めてしまい、
これまで付き合った人には
「完璧すぎてこっちが疲れる」
「本当に僕と付き合っていて楽しかったの?」と振られてきました。

高校生の頃や社会人なりたての頃は、
この言葉にとても傷ついていました。

傷つくと同時に、元彼に対して怒りを抱くことがほとんどでした。
振られるほどの自分の悪いところが分かっていませんでした。
「完璧の何が悪いの?」と思っていました。

しかし、社会人3年目くらいからは仕事で満たされる部分が多く、
レベルの高い同僚と切磋琢磨することに時間を使い始めました。

ただ、「28歳に付き合う」という計画は変更する気は無く、
仕事が落ち着いたら計画を練りなおそうと考えていました。

「大丈夫、誰かしらとは結婚できる」
そう思っていました。

そんな自分の考え方が根本から間違っていたと気づくのは
それから5年後の30歳の時です。

未婚仲間に先を越されて・・

30代で恋人なし。
計画通りに行っていないことが、「自分には魅力がない」と
同じ意味に感じて、人生で初めて自分が不甲斐なくて仕方ありませんでした。

そこで、初めて自分の今までの「恋愛」を振り返りました。
「本当に僕と付き合っていて楽しかったの?」と言った元彼は
どんな気持ちだったのか。

何日考えても、答えは出ませんでした。
次第に、仕事に身が入らない日が続きました。

そんな私を見かねて、上司が有休消化を進めてくれたので、
しばらく休むことにしました。

それくらい落ち込んでいました。
自分の頭の中で、「売れ残り」という言葉が繰り返されていました。

今まで、「自尊心の塊」だった私でしたが、
「自分の何かが悪いんだ」と自覚した以上、
もうこれまでのように周りのせいにはできませんでした。

しかし、その「何か」が分からないことには一歩も前に進めない気がして、
私はどうすれば良いのか分からなくなっていました。

「納得がいかなくても、言葉に出さず、相手に合わせればよかったのか」
「好きだとか今楽しいとか伝えていれば良かったのか」

色々なことをパターンを考えたりしました。
しかし、少しでも計画のズレを直したかった私には、
これから数人と付き合って、色々なパターンを試す時間はありませんでした。

もう両親に勧められていたお見合いでもしようか。
それほど焦っていました。

そんな時、1番仲の良かった友達からご飯に誘われました。
その友達をAとします。

Aは中学校からの付き合いで、お互いの恋愛事情は何でも知っていました。
今まで恋愛相談や恋愛話は全てAにしていました。
それはAも一緒で、本当に1番の友達でした。

就職してからは会う頻度は減ったものの、
関係性は変わらず、ラインでは絶えず連絡を取っていました。

4ヶ月前にもご飯に行って、
「お互い結婚できてないのやばくない!?」
なんて笑えない話を笑い話にして盛り上がったりしていました。

Aと待ち合わせたカフェに行くと、Aは笑顔で
「久しぶり!元気だった?」と笑顔を向けてくれました。

それから1時間ほどたわいもない話をした後、
Aがコーヒーをテーブルに置いて、静かに口を開きました。

「私、結婚することになった」

咄嗟に「おめでとう」と言いましたが、
友達が何を言ったのかをきちんと理解するのに、時間がかかった気がします。
心の底から言えたかと聞かれれば、そうではありませんでした。

友達の言ったことを理解できると、怒りの感情が私を支配しました。
「どうして何も言ってくれなかったの?」

友達は怒っている私を前に、悲しそうな表情で、
「驚かせたかった」と言いました。

それから友達は、控えめに馴れ初めを話し始めました。
「AI婚活」の〇〇を利用して、出会ったこと。
性格がすごく合ういい人で、会って3ヶ月でプロポーズしてくれこと。

最後に友達は「AI婚活を試してほしい」と言いました。

私は、「お幸せにね」と心がこもっていない冷たい言葉をかけ、
カフェをあとにしました。

家に帰っても、怒りは収まりませんでした。
今まで、何でも話してきた友達からの唐突の報告は、
裏切りにしか感じられませんでした。

友達に勧められた「AI婚活」を始めたら

友達とカフェで別れてから、1ヶ月。
私は一度も友達に連絡をしていませんでした。

友達からも連絡が来ることはありませんでした。

人は怒りをずっと抱えることはできないものです。
カフェで別れてから1週間くらいで、
友達に対しての怒りは無くなっていました。

しかし、今度は1番の友達の幸せを素直に祝福をしてあげられなかった自分に対して、
怒りでいっぱいになっていました。

冷静に考えると、私がAに怒るのはおかしな話です。
Aは「AI婚活」という道を見つけ、
自分の力で結婚を掴み取りました。

それなのに私は、「裏切られた」なんて筋違いな感情を怒りとして
Aにぶつけてしまったんです。

そんな最低な私に、Aは「AI婚活」をオススメしてくれました。
Aの優しさが身に沁みて、涙が頬をつたいました。

もう友達に戻れないとしても、最後にAがオススメしてくれた〇〇を試そうと思いました。

〇〇を始めてから、1人の方とマッチしました。
その人は、5歳年上で、仕事はサラリーマンでとても明るい方でした。

初めて合った日、緊張していた私を大人の余裕でリードしてくれました。
映画とご飯に連れて行ってくれたのですが、
どちらも予約をしてくれて、車の中ではトークで言っていた私の好きな曲を
プレイリストにして流してくれたり。

彼のすること全てが完璧に感じました。

しかし、その日の最後に彼が言ってくれたことが、
1番印象に残り、私の今までの考えを一瞬にして変えてくれました。

私が「今日のデートは本当に完璧で、すごく楽しかったです。」
と言ったことに返してくれた言葉です。

「僕は今日、あなたに完璧だと思われるよう頑張って予定を立てたんだ。
だけど、普段の僕はあなたみたいに完璧に予定を立てられないし、全然完璧じゃない。」

「これからそんな僕を見て、あなたがどう思うか分からないけど、
少なくとも僕は、あなたが完璧じゃなくても、今の顔じゃなかったとしても、
あなたと結婚したいくらい好きなのは変わらないよ。」

「僕が話すことを楽しそうに聞いてくれたり、お店の店員さんに対して丁寧だったり。
トークで昔の恋愛の話をしてくれたけど、あなたの中身が何より好きだよ。」

今まで「美人」とか外見のことを褒められることはたくさんあったけど、
こんなにストレートに中身が好きだと言ってくれた人はいませんでした。

彼のおかげで気づいたんです。
私は結婚をしなきゃと焦って、相手に合わせなきゃいけないと思ってたけど、
こうやって思いを伝え合って、相手のできないことをお互いがフォローしあっていくのが、
結婚で、好きってことなんだって。

今までの恋愛は、自分の価値観だけを投げつける一方通行だったんだって。

そして、「この人と結婚したい」と強く思いました。

相手の中身を冷静に見極めて、伝えてくれる彼は、
誰から見ても完璧な人生を送っている人よりも、
私が今まで求めてきた完璧よりも、1番完璧な人だと思います。

「美人なのに売れ残りの意外な落とし穴」
それは、自分の外見だけが周りに誇れる唯一の部分で、本当は誰よりも中身に自信がない
消極的な性格が落とし穴だったのかなと思います。

これは私の場合で、他の人にはそれぞれ落とし穴があるとは思いますが、
そんな落とし穴から、私を持ち上げてくれたのは言うまでもなく彼です。

そして、1番の友達。Aでした。

彼と初めて会った日から4ヶ月後。
私は彼と結婚しました。

当初の計画通り「31歳」に結婚できましたが、もうそんな計画はどうでもいいんです。
これから私は、彼と2人のゆったりした人生を歩んでいきます。

結婚式当日、控え室にノックの音が響きました。
ドアを開けると、そこにはAが立っていました。

式はあと30分後なのに私の顔は涙でグチャグチャでした。
Aは「おめでとう!」と心の底からの笑顔を見せてくれました。

「ごめんね」とか「まだ友達でいてくれるの?」とか
言いたいことはいっぱいあったけど、何から伝えたらいいのか分かりませんでした。

そんな私を見た友達は、私の気持ちを汲み取るように
強く抱きしめてくれました。

「これからも1番の友達だよ」
また涙がこみ上げてきました。

それから談笑しながら、メイク直して、
式を迎えました。

とても幸せでした。
隣には、愛しい旦那さんがいて、目の前には友達がいます。

式が終わった後、友達が教えてくれました。
「旦那さんが私に連絡くれたの。Aちゃんの結婚をちゃんとお祝いできなかったことを
後悔してるけど、臆病で連絡できないでいるから、式にきて欲しいって」

また涙が溢れました。
本当にいい人と結婚できたんだと再認識しました。

次の日は、「誰?笑」と言われるほど、目が腫れてパンパンでした。
初めて嬉しい浮腫みでした。

私が大切なことに気づけたように、
あなたにもそんな機会があります。

気づかせてくれるのは、まだ会っていない人かもしれないし、
もうすでに出会っている人かもしれませんね。

コメント